ヒート

ヒート(1995)を見た。ここ1週間で3回ほど見たと思う。

このヒート熱は、流行りの病のように数年ごとににやってきては、俺を魅了して過ぎ去っていく。『時間は運の賜物だ』というニールの名言を残して。(すぐにこの名言を忘れるのだが...)

この映画にはたくさんのおっさんが出てくる。全員タフガイだ。冷静に考えたらおっさんだらけの映画なんて見たくない。ディスプレイから加齢臭がしてくるからだ。しかし見てしまうと世界観に魅了されてウットリする。

敵対しながらもお互いを認め合うホモソーシャルな関係性が渋い。お互い仕事にプライドを持っている。プロフェッショナルとしてのプライドとプライドが激突する。ここにはジョン・ウー男たちの挽歌』の人間模様をさらに拡大してディープにした濃密さが厳存している。

家庭を顧みないタフな男たちと、それに振り回され泣かされる女たち。平成は過ぎ去り、令和という元号がすっかり定着した2020年代の今、ヒートの世界観はどこかアナクロな80年代90年代の遺物のようにも感じられる。ただ『仕事熱心な男になりたい』とまでは思わないものの『タフな男になりたい』と憧れる自分がいることは否定できない。だからこそこの映画に惹かれるのだと思う。

・イーディの部屋に『原色日本の美術』
・ヴァルキルマーの息子役の寝顔めっちゃヴァルキルマー(特に口あたり)
・厨房バックレくんがデニス・ヘイスバードだと気付かず。大統領。
・義理の娘が子役時代のナタポーだとも気付かなかった
・ダニートレホはいつだってダニートレホ。

銃声、ややこしい電話のやり取り、アンブッシュ、真夜中のハイウェイ、ヘリコプター、夜明け。これぞマン師。