Miami Vice

マイアミ・バイス(2006)を見た。TVシリーズ版ではなくマイケル・マン監督本人の手によってリメイクされた2006年の映画版。マイアミ市警の捜査官がアンダーグラウンドに巣食う麻薬カルテルと対峙する。全体的に硬派でホモソーシャルな雰囲気があって『これぞマン師!!!』という感じ(?)。銃撃シーンでは乾いた快音がとどろき同監督が手掛けたヒート(1995)やコラテラル(2004)の名シーンを思い出させる。映画館の音響で見れた人が羨ましい。映像は全体的にハンディショットなので酔う人は酔うと思う。レンズフレア演出あり、血しぶきあり、そのおかげでモキュメンタリーのような雰囲気に仕上がっている。役者陣は脇役も含めてなかなか豪華。音楽もかっこいい。

ただ悲しいのは、TVシリーズが成功を収めただけに『マイアミ・バイスのリメイク!!!』という十字架を生まれながらに背負わされた本作は、TVシリーズに思い入れがあった人たちからは『なんか違うよね・・・?』とネガティブに受け止められやすい素地があった。ではマイアミバイス初見におすすめかというと、ストーリーやキャラクターの描かれ方があっさりとしたものになっていて初見には世界観が掴みにくく、想定したターゲットがTVシリーズ視聴者層なのか初見なのか中途半端な印象を受けた。まあ好き嫌いが分かれる映画だろう。ヒート(1995)やコラテラル(2004)の雰囲気が好きな方にはおすすめ。私は割と好きです。

余談。高校時代この映画のDVDを持っていた。たしか東芝HDDVDレコーダー販促パンフレットが入っていた気がする。あの頃はブルーレイとHDDVDが覇権争いをしていてHDDVDはとどめを刺される直前だった。アナログが停波されて地上デジタル放送に完全移行するのは遠い未来の話・・・だと思っていた遠い遠い過去の話だけれども。